
まずはとれいん誌創刊50周年おめでとうございます.貴誌の今後のさらなる発展と飛躍をお祈り致します.
鉄道模型歴&TMS誌購読歴も足かけ52年目になり,また連続投稿/掲載24年目になりました.今年も例年通り,帰省先の神戸の実家にて実施しました.
さて2025年の今年は世間では第二次世界大戦終結80年,戦後80年,昭和100年という大きな節目を迎えます.鉄道史に限っていえば,鉄道発祥の地である英国で蒸気機関車を使用した実用的な鉄道が開業してから200年.かの地では「RAIL200」,即ち動力車を使用した鉄道開業200年を迎え,また国内では山手線環状運開始100年,山陽新幹線全線開業50年,そして蒸気機関車の営業運転終了から50年になります.
どうしようかと思案していたところ,大正14/1925年に東京~国府津間の電化が完成し,碓氷峠の山間部ではなく平坦部にある東海道本線で電気機関車の営業運転開始から100年の節目を迎えることに気付きました.
そこで平坦部の幹線での電気機関車運転100年,さらにF級電気機関車100年を祝って今回の年越し運転は,100年前の東海道本線走った輸入電気機関車,ならびに省型電気機関車を中心に16番日本型にて行いました.
また私事ですが我が母校の関西学院大学……,もとい兵庫県立夢野台高等学校が,大正14/1925年3月12日に兵庫県立第二高等女学校として設立してから100年を迎えます.我が娘の明日香ですが,家内の実家(自宅マンションから徒歩25分)で年末年始を過ごしましたので,久しぶりに私ひとりでの年越し運転です.
まず機関車です.EF50原形×2輛,EF51原形黒色(マイクロキャストミズノ製),EF53一次型原形,EF55 1号機原形,EF56 1号機原形,さらにED50原形,ED51改造,ED53原形(ピノチオ製),ED54原形,ED12原形マルーン入り黒色です.メーカー表記のない機関車はムサシノモデル製品でぶどう色1号塗色(ED12は同社の改良製品)です.これら全てはれーるぎゃらりーろっこうや安井模型店など,とれいん誌でもおなじみの模型店で新品にて購入して,わずかながらも売上に貢献しています.ネットオークションで購入した中古品は他の模型車輛を含めて1輛たりとも所有していません.
次は客車です.スニ30以外はスイテ39をはじめスハ32系の1等車,2等車,食堂車を組み込んだオールWルーフ客車9輛から成る「特急富士」編成,ついでスハユニ30,オロ30,オロハ30を組み込んだオハ31系7輛からなる準急編成の2本です.客車は全てマツモト模型のペーパー製客車です.
また新たに暖房車も計5輛導入しました.そのうちの3輛,スヌ31ぶどう色1号(モデルキングダム製),マヌ34ぶどう色1号(ワールド工芸製),ホヌ30原形(モア製)も引込線で待機させました.
パワーパックは,カツミ製KY-301を2台使用しました.最大出力16V,容量3A,トランジスタを用いた電圧制御で,コアレスモーターを搭載したムサシノモデル製機関車も安定した走行ができて満足しています.レールはカトー・HOユニトラックのR730/R790を使用して複線エンドレスを設置,渡り線と引上げ線,引込線を設けました.時間は31日の23時頃から,1日の1時頃まで行いました.
鉄道模型を始めた当初は当時の最新車輛やブルートレインが興味の中心で,旧型電気機関車には興味がなかったのですが1976年の鉄道模型趣味誌のピノチオ社の広告でEF50の組立て見本の模型を見て圧倒されました.そして追い打ちをかけるように1980年に刊行された世界の鉄道別冊「世界の鉄道模型」(朝日新聞社発行)で,故・原信太朗氏が所有する千代田計器製のEF50やオハ31(写真は一部分でしたが)を見て,その重厚さに惹かれたのを覚えています.そして大人になり初めて購入したムサシノモデル製品がEF50でした.今こうして模型とはいえぶどう色1号,黒色の輸入電気機関車や省型電気機関車の揃い踏みを見ると,「ブラウン色」や「デッキ付き機関車」と手垢のつきまくった陳腐な形容詞では表現できない旧型電機の重厚さ,孤高さを感じさせてくれます.
時代は代わり令和の御代は,昭和と違い電気機関車をみる機会が大幅に減り,電車ばかりになりましたが,模型の上では消え去った車輛をいつまでも楽しめることができます.自分が生まれる前の車輛に興味を持つのもいいものです.
これからも機会があれば年越し運転を行いたいと思います.